My Best Book Awards 2019
今年は読書メーターによると、117冊の本の感想を残したらしい。
実際は漫画や詩集などもあるので、数字が大きく見えるなあとも思うし、
途中でやめた本も結構あるので、数字が小さく見えるような気もする。
毎年、その年に読んだ本のトップ10をまとめていて、
あとあと見返すと、ああこのときこんな本読んでたなあとか思うので、
今年も例によって、10冊をまとめたい。
なお、本の発売日は特に考慮していないので、今年出された本以外でも、今年僕が読んでいれば、このトップ10には入る。
選定基準は「好き、かつ、おすすめしたい本」自分が読んで好きであり、おすすめは?と聞かれたときにこの中から選べるくらいの本たちをまとめた。
では、正月読書のご参考に。
10位
FOOTBALL INTELLIGENCE/岩政大樹
FOOTBALL INTELLIGENCE フットボール・インテリジェンス 相手を見てサッカーをする
- 作者:岩政大樹
- 出版社/メーカー: カンゼン
- 発売日: 2019/03/18
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
とにかく今年はサッカーを見まくったので、春先と秋に2回読んだ。
具体的に選手の名前が出て、ペナルティエリアでの選手ごとの駆け引きの特徴なども書かれていて、とても興味深かった。
サッカーで今や常識とされているプレーも、
「なんで?」と聞かれてどれだけ僕は答えられるだろうか。
今一度知った気でいたサッカーを今一から学び直しているのは、
この本でサッカーの原則を改めて学ぶことができて、
それを確認しながら見られているからだと思った。
特に、システムごとのメリット、デメリットの章が勉強になる。
9位
この漫画が原作となった同名映画を見た後に人に勧められて、初めて少女漫画のシリーズを読み切った。全9巻。
陸上で怪我をした女子高生が、夢を諦めきれないファミレスの店長に恋をするといストーリーだ。
どうしても、ハッピーエンドとバッドエンドに人はストーリーをわけてしまうが、人生にはハッピーエンドもバッドエンドもないんじゃないかと最近思う。
誰かと両想いになることがハッピーで、両想いにならないとバッドということはないと僕は思う。
両想いになれば、それ以外の選択肢を制限することになるかもしれないし、両想いにならなくても、違う人生が始まるだけだし、
後悔なく生きることができればそれはハッピーだと僕は思う。
好きな人に思いをぶつけ、日々まっすぐに生きる。
とても大事なことをこの漫画から僕は学んだと思う。
8位
メモの魔力/前田祐二
サッカーを見ているときや音楽を聴くときに、
メモをするようになった。
メモをするとなんか真面目っぽいけど、実際はとても楽しい。
書くことによって頭は整理されたり、
新しい発想が出るということは実感ができた。
あんまり前田さんのメモのメゾットは使っていないけれど、
メモが下半期にかけて習慣化してきた今だからこそもう一度読んでみたい。
7位
怒鳴るだけのざんねんコーチにならないためのオランダ式サッカー分析/白石裕之
オランダでは個人が強いので、サッカーの言語を統一する必要があり、
「サッカーとは何か?」と聞かれてみんな同じ答えができるような働きかけがされている。
また、チームが移ったら言葉の意味が伝わらないといけないので、
言語の定義も協会が決めているのだそう。
これを読んで、サッカーの言語化も重要だと思ったんだけど、
むしろ、仕事において言えることだよなと思った。
仕事におけるストレスって、この言語のズレが一番大きい気がする。
「そういう意味で言ったわけじゃないし」とか、
「立場上はこういうけど」とか。
オランダのサッカーではこんなことはあり得ない。
むしろ、無能なコーチと思われてしまう。
僕も小中学校のサッカー少年だったころ、
「集中しろ!」とか言われていたけど、
勝負事なんだから集中はしている。
そこで、この本では、
「コート1からコート2にボールを運ぶとき、
3回もボールを失った。
だから、コート2までボールを運ぶ成功率を90%まで上げよう」
など、何がどう「集中しろ!」なのかを伝えることをオランダで学んだと書いてあった。
仕事でも、僕はこの本を読んでから「しっかり」とか「ていねいに」とか、言わないように気をつけている。
サッカーのコーチングより、コミュニケーション的に学ぶことが多かった。
6位
マルチ・ポテンシャライト 〜好きなことを次々と仕事にして、一生食っていく方法〜/エミリー・ワプニック
マルチ・ポテンシャライト 好きなことを次々と仕事にして、一生食っていく方法
- 作者:エミリー・ワプニック
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2018/08/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
TEDで著者のスピーチに感銘を受けた。
「将来何になりたい?」とか「どんな仕事したい?」とか、
聞かれるたびに困っていたし、いまだに困る。
著者も、いろんなことに興味を持ち、
学び、職業にしてきた経歴を持っていて、
まさに上の質問の答えに困った経験がある1人だとTEDで語っていた。
そんな彼女が提唱したのが、
Multipotentialite。「マルチポテンシャライト」という定義だ。
僕もこの言葉を聞いてワクワクしたので、ちゃっかりTwitterのユーザー名にMultipotentialiteという言葉を入れている。
複数の才能を生かして仕事をする。
まだ複数のことをするとネガティブな反応もあるが、
複数の仕事の掛け算で新しい価値を提供している人だって多いし、
レアな人材として重宝されるという可能性もある。
マルチポテンシャライトのいいところの一つで、
とても共感したのが、「新しいスキルを覚えるのが早い」ということだ。
たしかに、2019年、僕はウクレレ を買って弾き始めたが、
ギターをたくさん触った経験が生きて、ウクレレで一曲弾けるようになるまで、多くの時間を費やさずに済んだ。
新しいことを学ぶのに慣れていると、他の方法に当てはめればいいだけなので、上達が早いというのだ。
僕も、生き方としてはマルチポテンシャライトでいたいと思うので、
フットワーク軽く、いろんな分野にチャレンジしていきたいと改めて思った。
5位
自分を操る超集中力/Daigo
集中をするためのテクニックがたくさん書かれている。
集中力がある、ないの話はあんまり好きではなかったので、
誰でも集中を発揮するチャンスがあり、
時間帯や食生活、睡眠の質などで、集中のポテンシャルを上げることができるということが科学的根拠に基づいて書かれている。
最近、自分でも、あー集中してるわと思う瞬間に気づくことがあって、自分の集中の条件が科学的根拠に基づいていることなのかどうかという確認もできたので、科学的根拠に基づいた集中法で、
自分の集中を高めていきたい。
大きく学んだことは「ウィルパワー」と「パワーナップ」
「ウィルパワー」は、集中に向かうためのエネルギーのようなもので、探し物や判断を重ねると、消耗され、集中を発揮しようと思うころにはエネルギーが残っていないということになってしまう。
だからこそ、モノの位置を決めておくことや、判断を少なくするために、最初に習慣を決めておくことが、「ウィルパワー」の消耗を防ぐ。ちなみに、ジョブズがいつも同じ服でプレゼンしていたのも、
判断に使うエネルギーを減らすためということなので、いつも考えるようなことは習慣にする方が大事だと学んだ。
僕もこれを読んでからお弁当の献立は月曜から金曜で固定するようにした。
「パワーナップ」は、お昼過ぎの10分程度の昼寝のことで、
人間の脳を消耗させる視覚情報をシャットアウトし、脳を休める効果を持つ。
実際、横になるまではいかなくても、10分ほど目をつぶって、
そのあと体を動かすと、かなりスッキリする。
1時間以上寝てしまうと逆効果なので、10分〜20分目を閉じるという感覚がちょうどいいかもしれない。
本自体のテンポがいいので、読み進めるのがとても早かったように感じた。
4位
没頭力 〜なんかつまらないを解決する技術〜/吉田尚紀
ずっと気になっていた「フロー理論」について書かれた本だった。
どうすれば、我を忘れて集中できる「フロー状態」になれるかが書いてある。
フローに入るためには、「自分の能力よりもやや難しい課題にチャレンジ」「自分でコントロールしている感覚がある」「ルール、制限がある」「すぐにフィードバックがある」など、
さまざまな条件が書かれている。
また、フロー理論に入っている人を見るのも、フローに入りやすいということなので、サッカーを見ているときや、
音楽のライブに行ったときの「あれ?もうこんな時間?」という感覚もまさにフローだということだ。
個人的には、上述のサッカー観戦と音楽のライブを観に行く以外に、
音楽の演奏、フットサル、面談、To Doリストを書いて事務作業をする、読書、映画、文章を書く、美術館を歩く、調理、ランニング、レタリング、人と話すなどが、自分を忘れて対象に集中し、時間の経過を早く感じる行為だ。
この本を読んでから、「あ、いまフローに入ってるかもしれないわ」と、フローの感覚を意識するようになった。
人生はフロー理論に日常的に入る人の方が、幸福度が高いそうなので、
なるべく、仕事でもフローに入れるように心がけているし、
仕事以外でも、フローに入れるような予定を多く入れるようにしている。
フローに入る時間を人生で増やしていくことが、今後の人生のテーマかもしれない。
3位
学びの効率を最大化するアウトプット大全/樺沢紫苑
この本を読んで報われた気持ちになった。
僕自身が、「インプットだけしていてアウトプットしないことは便秘と同じ状態であり、すなわち不健康である」インプット便秘理論を唱える第一人者だからだ。
それはさておき、本10冊読んだだけの人と、本3冊読んで3冊アウトプットをした人であれば、後者の方が成長するということがこの本では書かれている。
また、話すよりも文を書く方がアウトプットの効果が高いということも書かれているので、本や映画のアウトプットはそのまま続けたいと思ったし、サッカーや音楽でメモを取るのも、公開せずとも一つのアウトプットになるので、そういう取り組みは続けたいと思った。
この本で新たに知ったのは、「カクテルパーティ効果」という、
何を学ぶかを最初に前提にした上で、インプットに入るという方法だ。
特に目的なくインプットすることがほとんどだったが、
たしかに、サッカーの試合でも、事前に注目するポイントを整理してからの方がインプットである、試合観戦を楽しめるので、
何を目的にインプットするか、仮説を持ってインプットするということをより意識して、インとアウトの質を高めていきたい。
ちなみに、頭の中の考えを可視化することも一つのアウトプットで、
計画をメモしてTo Doリスト化し、できたらチェックするだけでも脳の快楽物質であるドーパミンが出るので、少しのことでも、頭の中から出すことを意識したい。
2位
FACTFULNESS/ハンス・ロスリング
FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣
- 作者:ハンス・ロスリング,オーラ・ロスリング,アンナ・ロスリング・ロンランド
- 出版社/メーカー: 日経BP
- 発売日: 2019/01/11
- メディア: 単行本
忌野清志郎のJUMPという曲に「なぜ悲しいニュースばかりテレビは言い続ける」という歌詞がある。
高校生ぐらいのころにこの歌詞に出会って、「たしかになぁ」と思ってから、なぜそうなるかの答えを見つけることができずに10年ぐらい経ってしまった気がするが、この歌詞の問いかけの答えが自分のなかで出たような気がする。
まず、この本は現在の世界情勢に関する15問のテストを受ける。
このテストは三択問題だが、平均点がランダムに三択のなかから答えを選ぶチンパンジー以下ということが書かれていて、いかに人々が社会を誤って認識しているかがわかる。
なぜ誤った認識をしてしまうかというと、
人間が何かを認識するとき「貧困と富裕層」「先進国・発展途上国」など、2つに分けたがる「分断本能」やインパクトのある話が大きく報道をされがちになってしまう「ドラマチック本能」など、
これ以外にも、いくつもの要素が絡んで、人々は世界情勢をネガティブに捉えてしまう傾向があることを指摘している。
この本が訴えるのは、ただの楽観主義ではなく、
「FACTFULNESS」すなわち「現実を正しく捉えること」を提唱する。
本の中に出てくる様々なデータを見ると、世界は確実に発展を続けていることを実感できる。いまだに厳しい生活水準を強いられている地域もあるが、多くの地域は過去100年で水準が上がってきている。
どうしても、悲惨なニュースがあるとインパクトがあって、
それが全てだと思ってしまう部分はあるが、
世界を見るフィルターとして、この本を知っているかどうかで、
ものの見方は大きく変わると思った。
そして、これは自分の生活の中でも、「現実を正しく捉える」というスタンスで接していくことで、
感情的に、目立つ結果だけを追うのではなく、
冷静に、合理的に物事に取り組むことができるように感じた。
1位
PLAY WORK プレイ・ワーク 仕事の生産性がグングン高まる「遊びながら働く」方法/ピョートル・フェリクス・グジバチ
PLAY WORK プレイ・ワーク 仕事の生産性がグングン高まる「遊びながら働く」方法
- 作者:ピョートル・フェリクス・グジバチ
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2019/07/24
- メディア: 単行本
完全に自分の仕事のモットーになった一冊。
中高時代、バンドのユニコーンのように、
ふざけているように楽しんで仕事をすることに強い憧れを持っていて、
それが言語化されたような本だと思った。
この本のキーワードは「心理的安全性」
怯えながら仕事をしても、生産性は上がらず、
「自分はここにいてもいいんだ」というポジティブな気持ちで働くと、生産性が高まっていくという主張が書かれている。
まさしく、怯えながら働くと、どうしても発想は凝り固まるし、
失敗しないことが仕事の最優先事項になってしまい、
仕事はつまらなくなり、サービスを受けている人にも、
生産者のつまらない気持ちが届いてしまう。
PLAY WORKを実践するために、この本では、
「自分の好きなことをしよう」「他人のルーツを知ろう」など、
すぐにでも始められる職場環境の改善のコツが書かれている。
この本の好きなところは、「仕事辞めろ・転職しろ」という過激な話がなく、今日から、自分の周りから、「PLAY WORK」を実践できるというスタンスで書かれているところが好きだ。
僕自身、残念ながら、数字を追うことや、大きなビジョンを掲げて仕事に取り組むということは、あまりモチベーションに直結しないタイプだ。
だけど、PLAY WORKの精神で仕事をするのは得意だし、好きだ。
PLAY WORKを意識して、周りの人はどういうときに楽しそうに働いているか、
どうすれば自分の周りの人が楽しんで仕事をできるかを考えるようになり、
それを考えていればいい仕事ができるんだということが実感できて、
だいぶ楽しいし、気持ちは楽になった。
2020年はPLAY WORKをさらに深めていく年にしたい。
どんなときも楽しく。辛い、我慢といったこれまでの勤労の価値観を一切匂わせない大人として振る舞っていきたい。
長くなりましたが、
2020年は、今年こそ目指せ150冊読破で、いろいろな本を読み、
世界を眺めるフィルター磨いていけるような読書をしていきたい。