My Best Music Awards 2019

去年の暮れに、高校時代からの親友K氏と、

「今年1年で印象に残った音楽のトップ10をそれぞれ発表しよう」

という発想に至り、実家で第一回「My Best Music Awards」を開催した。

お互いの曲をおすすめして終わる予定だったが、

発表前からテンションが上がり、東急ハンズで飲食店がメニューを書くような蛍光のブラックボードを買ったり、

シャンパンを買ったり、なぜかスーツでドレスコードを統一したり、と、無駄に盛り上がり、実際の発表も曲自体はそれぞれ1時間強のプレイリストなのに、お互いの発表が終わるころには6時間が経過していた。

 


夢中になって時間を忘れるとはこういうことか。。。

 


そんな楽しい遊びだったので、

2019年も開催することが決定し、

名曲を聞き漏らすまいという精神で、年間1000曲の新譜を聞いてきた。

 


今年はK氏がマレーシアに滞在しているにも関わらず、

LINEビデオ通話で開催。

 


去年の予想以上の時間のかかり方に加え、LINE通話によるコミュニケーションの時間のかかり方も考慮し、

2日間開催とした。

 


結局、今年も去年を上回るそれぞれ8時間、合計16時間の熱いトークになった。

 


ということで、今年も2018年12月〜2019年11月のリリース期間の中での僕のNew Artist賞、ベストMV賞、ベストボーカル賞、ベスト演奏・編曲賞、ベストリリック賞、ベストメロディ賞、特別賞4曲を発表したい。

 


・New Artist賞

※対象期間にリリースを開始したアーティストの中で最も好きでおすすめしたいアーティスト。

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Colors/Black Pumas

不意にYoutubeで流れてきて、第一声から引き込まれるセクシーな歌声と、その声の良いところを生かすようなボーカルのメロディにやられてしまった。

ベースもビートルズのCome Togetherみたいでかっこいい。

初めて聴いたときは、「声がセクシー!」という感想だったけど、

聴くにつれて、「やっぱ音楽って低音だよな」という思いが強くなっていった。

僕もテレビで見ていた音楽、CDで聴いていた音楽を初めてイヤホンから流した中学生のときはとても感動して、高校生ぐらいでベースがどんな音を出しているのかを知って、それから音楽をたくさん聴くようになった。

人はベースの音が聴こえて、改めて音楽と出会い直すものなのではないかという気さえ起こした超セクシーな一曲。

最後の方に出てくる「oo fu oo fu oo fu oo fu〜♪」のユニゾンも緊張感があってかっこいい!

 


・ベストMV賞

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Breakthrough/TWICE

TWICEってもはやパンクだわ。

と僕は思った。

去年の日本1stアルバムのときは「BDZ」ブルドーザー、2枚目アルバムに収録の「Breakthrough」ブレイクスルー。Bで始まる攻撃的なワードだ。Bで始まる単語って日本語も英語も破壊力がある言葉が多いように個人的には思う。

beat,boost,bad,bomb,bomber,とか、バカ、ビリ、ブス、ボケとか。。。

TWICEがなぜ去年はBDZで始まり、Breakthroughを今年出してきたかというと、

やっぱり、彼女たちが日本や韓国の若い世代にとって、

大人たちに立ち向かっていくような、夢に向かっていくような、

攻めの姿勢の象徴みたいな存在だから、

Bの音で始まる、どんな雑音にも屈しないような強い言葉で音を出したかったからではないかと個人的には思う。

MVも、黒がバックで、着ている服も白が貴重となっていて、

余計なものが断捨離されていて、人が際立つ。

ジャケットでのダンスもかっこいい。

 


個人的には、日本と韓国、2019年もいろいろあったけれど、

そんな中でこんなにかっこいい曲を出して、日本、韓国に留まらず、

アジアでも人気なTWICEに、自分の思いを重ねて見ている。

かっこいいパフォーマンスするために、国境を超えて、協力する。両国の首脳よりいい仕事していると思うんだけど。

 


・ベストボーカル賞

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bad guy/Billie Eilish

春過ぎに各国のApple Musicのチャートを見て、

色んな国で多くの曲がランクインしているアーティストがいるぞ、誰だこれはと思って初めてこの曲を聴いてみたが、

「おお、なんだこれは!」という感じで、かなり驚いた。

世界の音楽のトレンドは、音を少なくすることだと聞いていたけど、

音の少ない多いの問題じゃないぞ、これは!と衝撃的だった。

でも、くせになって、今年よく聴いたし、この曲が好きだ。

 


僕はカラオケの採点で歌の優劣を決めるテレビの番組が嫌いだ。

歌のうまさは数値化できるようなものでは本来ないと思っている。

ビブラート何秒とか、音程正確率何%とか、自分が正しく歌えているかを確認するために使うことはあっても、それで勝ち負けを決めようなんて、音楽の楽の字はどこに行ったんだよと思ってしまう。

bad guygはそんな歌がうまいことの条件として、よく人が挙げそうな「声の大きさ」「ビブラートの長さ」「しゃくり」なんていう次元にないボーカルワークだ。僕が強いていうなら、歌唱力=発する声を最適化することだと考えている。

 


曲によって、声は大きければいいわけでなくなり、ビブラートも長ければいいわけでなくなり、しゃくりも多ければいいわけではなくなる。もっと奥深いし、「この曲はどんな声を発するのが一番聴いている人が気持ちいいんだ?」と考えるところに音楽のおもしろさがあるように思う。

BIllieのこの声は最高の最適化だと思うし、僕は「歌唱力」があると思う。

 


・ベスト編曲・演奏賞

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Pretender/Official髭男dism

初めて聴いたときにアメリカの今どきバンド感を感じたが、

この曲は打ち込みとサウンドと生のグルーヴが行き来するところがおもしろく、その方法の違いが、音で場面を見せることにつながっている。

特に、Bメロは内省的な歌詞になるが、そのときに打ち込みから生のサウンドにがらっと変わっていくところが、歌詞と音の作りがリンクしているようで、生々しさが表現されているのかなあと思って、聴いていて、本当に楽しい。

 


・ベストリリック賞

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君が大事にしてるもの/SHISHAMO

さらっと聴いていて、「モノに嫉妬する視点っておもしろいなあ」ぐらいの感覚で聴いていたが、あるとき、最後の一行の「ねえ、レスポール あんたとさ 初めて目が あった気がしたよ」というワンフレーズに、「お!レスポールと目が合う?どういうこと?」と気になり、全部歌詞を意識して聴いてみると、

恋人のレスポールを破壊し、殴られるという吹っ切れたストーリーと、主語が1番と2番で入れ替わる、朝子らしい魅力の詰まった歌詞だということに気付いた。

なかでも、「私を殴る 君の大きな手 それが、私の大事なもの」という歌詞にゾクゾクする。

まさしく恋に落ちた人間の狂気と、

「私何やってたんだろう?」という覚めるようなところまでの、

一枚も二枚も上回ってくるような歌詞だと思った。

 


・ベストメロディ賞

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ME!/Taylor Swift feat.Brendon Urie of Panic! At the Disco

しゃくり上げるBメロがくせになり、何度も聴いた。

かといって、ずっとドキドキするBメロが続くわけではなく、

馴染みやすい、Aメロとサビは安心感すら覚える。

同じコードのループが最後まで続くことも、聴きやすさの一つかもしれない。

そして、歌い出しの「I promise that you’ll never find another like me」のメロディがそれぞれの緊張のBメロ、Cメロと安心のAメロやサビ場面をつなぐ架け橋のようにそれぞれのパートの最後に度々出てきて、くせになる。

攻めすぎても聴きにくいし、聴き馴染み安すぎても新しさを感じない。ME!は絶妙なバランスの一曲だと思う。

 


・特別賞

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Cruel/St.Vincent

初めて車の中で聴いて、感動した。

完璧な一曲だと思った。

それぞれの楽器が何度も同じフレーズを繰り返しながら、その絡み合いによって、最後に大きく盛り上がっていき、何度聴いても美しい。

一生聴くと思う。

 


・特別賞

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口笛吹いて、こんにちは。/NICO Touches the Walls

ニコが活動終了。ということで、手をたたけも夏の大三角形も大好きだけど、個人的には、新卒時代によく車で聴いていたこの曲が印象深い。

ニコをフェスで見て、感動した直後からよく聴いていたアコースティックアルバムの1曲目で、休日っぽくもあるけれど、どこか憂いを感じるようで、当時の自分の感覚にしっくりと来ていた。

残念に思いつつ、2回もフェスで見られたのはラッキーだったなあと思う。

ありがとう、NICO Touches the Walls!!

 


・特別賞

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Ruby Soho/Rancid

一生忘れもしないであろう、2019年8月16日のサマソニ大阪。

台風で出演アーティストのキャンセルが相次ぎ、

タイムスケジュールも大きく変わる大変な1日だった。

一番大きなOcean Stageも昼過ぎまで開場すらしていないような状況だった。

Rancidからスタートするというアナウンスが流れてからも1時間ほど設営に時間がかかり、

会場のフラストレーションがひしひしと漂う中、

彼らのパフォーマンスが始まった。

ただ、行列に並んだあとのラーメンが美味しいように、

フラストレーションのあとのパンクは絶品であることも気づかされた。

Rancidの曲は詳しく知らなかったが、このRuby Sohoは一回でメロディを覚えられるキャッチーさがあり、

サマソニが終わってから今でも聴きたくなる中毒性も高い一曲だ。

過去をなかったことにして、未来をつくっていく、パンクの強さを実感した曲だ。

 


・特別賞

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Teenage Kicks/The Undertones

グッド・バイブレーションズという映画を9月に渋谷HUMAXで見た。

劇中に3回ぐらい泣いた気がする、魂揺さぶる映画だった。

とてもシンプルで短い曲だけど、

声も強烈で、何度聴いてもかっこいい。

僕もこの曲を今年知ったけど、

映画でこの曲を売り出すビリーは色んなレコード会社に売りに行き、断られ続けるも、ラジオでようやくオンエアされるようになる。

今世界に残っているかっこいい曲も、当時の誰かの心に刺さり、

そして、誰かが絶対にこの曲を世界に残そうという思いや苦労が何かしらはたらいて、今僕たちは生まれる前の曲を聴くことができる。

ただでさえ初めて聴いてかっこよかった曲だが、

映画を見て、この2分間を世界に残そうと努力した人の思いを知り、

よりこの曲が愛おしくなった。

パンクは死なない。不死身の一曲。

 

 

・10位

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Kids/PUP

カナダのポップパンクバンドのPUPの曲。

激しく叫ぶようなボーカルでありながら、

ギターリフはどこかクールで秩序立っている、

冷静と情熱が心地いい曲。

展開も新鮮で、ありそうでなかったような感じがする。

踊るようなベースラインも聞き応えがある。

 


・9位

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Glorious/Sudan Archives

Apple Musicのレコメンドで聴き、気になっていたその週末に遊びに行ったタワーレコードの渋谷で、大きなポップとともに紹介されていて、タワレコのヘッドホンで初めてこの曲を聴いて、

なんだこのかっこいい曲は!と感動した。

アフリカ、アジア、R&B、エレクトロニクス、ソウル、世界中の音楽がクールなベースラインに支えられ、バイオリンが全てを統率する。

バラバラにならず、一つにまとめ上がっている感じが好き。

 


・8位

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Boy With Luv/BTS feat.Halsey

これまであまりBTSの曲は聞いて来なかったが、

この曲は初めて聴いたときからかっこいいなと思っていて、

何度聴いてもスタイリッシュさを感じ、また聴きたいと感じる。

他にも良いなと思うK-POPはあるけれど、

この曲はイントロの「オアー オアー オアー オアー」とサビの「oh my my my oh my my my」の2つのフックが何度聴いてもくせになって耳から離れない。

また、曲は超絶テクニカルでカラオケで歌う人全員が緊張しそうな歌い出しのAメロとから始まる1番と、展開の違う2番3番のラップと、

構成が異なるが、どんな展開になてってもキャッチーでくせになるフックに戻ってくる安心感が、何度もこの曲を聴いてみたくなる要因だろう。

Halseyの使い方も贅沢だが、これはアジアで覇権を握る彼らだからこそ、アメリカのトップシンガーがコラボに旨味を見出すことができるからこそのコラボであり、最高のトッピング「oh my my my my」が成り立っているのだと感じる。

 


・7位

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Pretender/Official髭男dism

マニアックに楽しめる部分と、誰が聴いてもわかる感動を両立しているのがこの曲の好きなところかもしれない。

「運命の人」というパワーワードや、サビのジャンプ台としての「グッバイ」やハイトーンなボーカルなど、みんなが好きになる要素がたくさん詰まっているが、

それと両立し、マニアックな楽しみ方もできる、

AメロからBメロに変わるときに打ち込みから生のグルーヴに変わってるんだってとか、ブレスがセクシーだよねとか、「誰かがえらそうに語る恋愛の論理」ってなんだろうねとか。

深く掘り下げる要素がたくさんあるところがこの曲は楽しい。

 


・6位

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Pop Virus/星野源

Pop Virusというアルバム自体を特に2019年の寒い時期に本当によく聴いていた。

アルバムのアートワークも白が基調になっているが、

「音楽で世界は変えられないが、聴いている人が聴いている間だけ楽しいという瞬間を作ることはできる」という旨の発言をしていた、

その発言の具現化のような一曲がこのPop Virusだと思う。

Pop Virusは星野源自身のことだという解釈をテレビで見たことがあるが、個人的には、音楽を愛する人のことのようにも感じるし、何より僕自身を当てはめて聞いている。

どうしようもないような暗闇を生きながら、

音楽の中で愛する人を想い、朽ち果てても生きながらえる。

絶望的な状況でも自然と歌ってしまう僕は「口から音が出る病気」かもしれないなとか。

彼に投影しながら、どうしようもない状況から、3分間だけポップという光を当てて、また暗闇に戻っていく。

この曲のはじまりは彼の息を吸う音からはじまり、徐々に盛り上がり、そしてまた最後は彼の声だけになるところに、

「世界は変えられないけれど、聞いている人の苦しみを一瞬だけ忘れさせる」ポップへの賛美を感じる。

 


・5位

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10,000 hours/Dan+Shay&Justin Bieber

佐藤可士和氏の「聞き上手 話し上手」という本を最近読んだ。

各業界のトップランナーたちとの対談を収めた本だが、その中で、

ジャズピアニストの小曽根真氏との対談で、印象に残る会話があった。

それは、「良い作品は自分にもできそうだな」と思わせることができるということで2人の意見が一致していた会話だ。

10,000 hoursは4つのコードで、楽器の構成もシンプル、

メロディもシンプルにAメロ、Bメロ、サビが2回あって、Cメロが来て、またサビ。というとてもシンプルなものだ。

歌詞だって、君を愛するのに10000時間かけてきて、これからも10000時間をかけるよ、というとてもシンプルなものだ。

そして何より、曲の短さは2分43秒。

自分でもできるんじゃないか?と多くの人が感じる要素が多いと思う。

とても聴きやすく、ヘビロテしてしまうので、

鼻歌で歌いたくなる。

途中まで3位ぐらいだったけど、10000時間ってどれくらいかなと調べると、416日だったので、意外と短いと感じ、5位に収めた。

 


・4位

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君の大事にしてるもの/SHISHAMO

8月に町田のFRIDAYSにランチしに行ったときに、

SHISHAMOのTシャツを着ていたら、店員さんもSHISHAMOのファンで話が盛り上がり、

「そういえば、去年の秋ツアーでやっていたあのタイトル未定の曲、よかったですけどまた出ないんですかねー」ということをその店員さんは言っていた。

たしかに、僕もライブでいい感じの曲だなとは思っていた。

この曲は人ではなく物への嫉妬の歌詞ということで、

共感を誘うが、共感だけで終わらない歌詞に感銘を受けた。

個人的に一番のハイライトは「思わず私を殴る 君の大きな手 それが私の大事なもの」という部分で、MVではこの部分で少し宮崎朝子が笑っているように見える。MVを見たとき、思わず「すごっ」と声を出してしまった。

この曲は「熱帯夜」「あなたと私の間柄」のようなグルーヴ感のあるSHISHAMOの大人なロックの一面が垣間見える。

そして、これだけの歌詞を書いて、それを歌で演じる宮崎朝子。

音程取れる取れない、声量あるないという次元を超えるボーカルワーク。「それを追う 君のまあるい目」という部分の歌い方が特に好き。またすばらしい朝子のボーカルが聞けて本当にうれしい。

 


・3位

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55/ユニコーン

力強い民生ボーカルが堪能できる曲。

ギターソロも、てっしーがタバコに行っている間に民生が録ったらしいが、そのソロもすばらしい。民生ワールドな一曲。

ユニコーンや民生のこれまでの曲でも、

ここまで民生のボーカルを堪能できる曲はないんじゃないかと思うぐらいの曲だ。

徐々に盛り上がっていくバンドサウンドもいいし、

この曲はドラムがかっこいい。

こんなにかっこいい曲なのに、歌詞を見ると、

「シャツのサイズはエルを超えてる 頭はドレッド」と、

広島のエルドレッドがテーマになっている曲とあって、

しっかり歌詞で遊んでいるところが本当にかっこいい。

ユニコーンは未だに僕にとって神の存在だ。

 


・2位

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ME!/Taylor Swift feat.Brendon Urie of Panic! At the Disco

3分間で世界を彩る魔法みたいな曲だと思う。

しゃくり上げるように歌うBメロが何度聞いてもかっこいい。

今年の関ジャムでヒャダイン氏が「最近の音楽のトレンドは音数がどんどん少なくなっている」と言及し、その文脈で、

音数が少なくなった今のトレンドに則りながらも、

ミュージカル音楽として成立させたのが、

映画「グレイテスト・ショーマン」の「The Greatest Show」だと話していた。

オーケストラの音圧で圧倒するのでなく、

打楽器と人の声がメインで曲が進んでいくのがThe Greatest Showだった。

この曲も曲の進め方はそれに近いものを感じる。

打楽器を残して少ない音数でサビまで進み、サビで若干音が盛り上がる。そんなにたくさん楽器が出てこないところも聴きやすい。

歌い出しから歌い終わりでここではないどこかに連れて行ってくれそうな気がするワクワクする一曲。ポップミュージックの極みのように感じる。

 


・1位

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Same Thing/星野源 feat.Superorganism

この曲は星野源とSuperorganismとのコラボ曲で、サマソニでSuperorganismを見たくて大阪まで行った僕としてはこのコラボを知ってとても驚き、うれしかった。

改元で新しい時代が幕開けた日本の雰囲気にふさわしい楽曲だと個人的には強く思う。

令和改元時の首相談話の「美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つ」「一人一人の日本人が明日への希望とともに、それぞれの花を大きく咲かせる」「文化を育み、自然の美しさを愛でることができる平和な日々」

この全ての要素をこの曲は満たしているのではないかとすら思う。

まず、この曲はSuperorganismが来日したときに、楽屋のような部屋でSuperorganismのメンバー2人と星野源が部活のような

テンションで作っていった曲だとインタビューで語られている。

ここはもっとこうしようとか、星野源が日本語で書いた歌詞をoronoが英訳し、歌詞が作られたり、

まさに「美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つ」という部分にぴったりだ。

そして、星野源とのコラボをした多国籍バンドのSuperorganismだが、ボーカルoronoは日本人ティーンエイジャーで、14歳で日本を離れて音楽活動を始めたパーソナリティを持つ。

「一人一人の日本人」として、既存のレールに乗らずとも、自分の意思で「明日への希望とともにそれぞれの花を大きく咲かせる」象徴の存在と言えそうだ。

そして、この曲で星野源とoronoが絶対にこの歌詞は入れようと話したフレーズがサビの「Fuck You」だったらしい。

大声で「Fuck You」が言える社会は健全で、まさに「平和な日々」だと個人的には思う。

今年はラグビーのワールドカップがあったが、

ラグビーナショナルチームは意思を同じくした多国籍集団だ。

国籍でなく、ミッションをもとに繋がっている集団だとも言える。

令和の社会では、国籍よりもミッションでともに何かを創っていくことがより増えるだろうし、国籍ベースで作られた集団よりもしっくりとくるし、国籍が違うからと言って応援しないということはナンセンスな風潮すら感じた。

Superorganismはまさに日本、イギリス、オーストラリア、ニュージーランドにルーツを持つ8人のメンバーだ。

国籍というフィクションは形骸化し、自由に志に人が惹かれていくような令和の時代にぴったりのSame Thing。

 


絶対入れたかったという「Fuck You」というフレーズ。

かつてはウルフルズの「ガッツだぜ!」ですら「歌詞が卑猥」と言われて歌詞を変更してパフォーマンスが行われた紅白。

 


果たして令和元年の紅白で「Fuck You」は叫ばれるのか!

 


紅白で原詞のとおり「Fuck You」が叫ばれたとき、本当に日本の平成が終わり、人々の感情が大きく解放される、新しい令和の時代が幕を開ける気がする。

 

 

 

長くなりましたが、とにかく今年は、

新しく、いろんなジャンルの曲を開拓することができた。

世界中の色んな音楽が手元で再生できる奇跡のような時代を享受しながら、来年も、貪欲に新しい音楽を吸収していきたい。

 


Hayato