「FACTFULNESS」を読んでみた
「やべえな」「まじか」と何度もいいながらの読書体験でした。本当に没頭しました。
見た目が分厚くて、外国人作者だし、世界の統計を扱うということで、読むの難しそうだなぁ、途中で挫折するだろうなぁと読み始めましたが、
この1冊で100冊分がぐらいの学びがあるのではないかと思うようなレベルで好きになりました。
「なぜ悲しいニュースばかりテレビは言い続ける?」とキヨシローが歌った歌詞が何年も胸につっかえていたり、「世界はよくなっている」と講演でお話をされている旅人のたかのてるこさんの言葉がやっと自分の中で落とし込めたような一冊になりました。
ああ、あと8年ぐらい早く出会っていたら…。
FACTFULNESSというこの本は、まず、世界の統計に関する13のクイズを出題し、いかに自分が世界を悲観的に見ているかという点に読者を持っていくところからスタートします。
たとえば、「この100年で自然災害で亡くなる人はどれくらい減ったか、最も近いものを次の3つから選べ」などといった三択なのですが、なんと、世界銀行や国際的な企業のエリートたちですら、平均は2点程度だそうです。
1万人に調査しても全問正解者はいなかったそうです。
この結果から、私たちは正しく人類の進歩や発展を認識できていないということを指摘し、世界にはたしかに今でも厳しい生活環境もあるれど、ここ何十年かで多くの人の生活環境は向上し、今では中所得国に住む人が世界で最も多くを占めているという事実があるということに気づかせます。
このように私たちが正しく世界を認識できていないのは、さまざまな要因があり、たとえば、悲観的なニュースは目につきやすいし、順調にいったことは話題にもならないからだということだったり、人間は恐怖に冷静な判断を失うことがあるといった、正しく世界を見られていない理由とその対処法を書き記しながら各章が進んでいきます。
しかし、重要なのは、楽観的に世界を見ることでなく、良くなっていることとまだまだ悪い部分は共存しうるということです。
恐怖や悲観でなく、
正しく順調に進んでいる部分に目を向ける。
感情的にならず、正しく、世界を認識する。
単なる学びにとどまらず、個人的には「こういう大事なことを言ってくれる人が現れた!」「モヤモヤしていたことを晴らしてくれる理論だ!」と感動すら覚えました。
「その数字って比較できるの?」「感覚的に見ればたしかにそう思うけど、実際数字にするとどうなの?」
など、普段の生活でも最近思うところが多かったので、世界でなく自分の身のまわりにも落とし込めるような気がしました。
本当にいい本読みました。後輩に進めたら翌日に本を買ってくれていました。
このようなデータや言論を一般市民が触れられる状況にあることも、「正しく」感動する自分でいたいです。