次の一点を取ったら勝ち -緊急事態宣言36日目-
草サッカーでは、ときどきこれまでのスコアに関係なく「次のゴールを入れたチームの勝ち!」と宣言される。
「NEXT GOAL WINS」というアメリカ領サモアのサッカーのナショナルチームのドキュメンタリー映画を見た。
この映画はもう2、3回見ていたが、インタビューの発言の中で、この映画のタイトルの意味に初めて気づいた。
今までは純粋に、人や国の数だけサッカーに取り組む理由があり、世界ランクに差があれど、そのひたむきさやまっすぐさ、素直さはどれも美しいものだなと感じていて、そのフィールドに立つ人々の持つ人生のドラマが重なり、チームのドラマを作っていくことに、ああ、やっぱりサッカーいいなあと感じ、それがこの映画を見たくなる理由だった。
今回は初めてタイトルの意味に気づき、たとえどれだけ失点した試合があろうと、どれだけ辛い思いをしようと、負け続けていようと「NEXT GOAL WINS」の気持ちを持って戦うことが自分の原動力になり、他人を動かすエネルギーになっていくということをこの映画から学んだ。
これまで負け続けていようと、次の一点取ったら俺の勝ち。正当な評価なんて、良くも悪くも大してされないし、正当な評価なんてそもそも幻想なんじゃないかと思う中、案外、人生で「次の一点取ったら俺の勝ち」に似た場面って結構あるような気がしてきた。
サッカーから学ぶことは果てしない。
「過程」こそ「経験」 -緊急事態宣言35日目-
映画「ドーハ1993+」を見てからこの試合を見たが、映画で語られていた「異様な雰囲気」や「北澤を出せ!」という選手たちのベンチサイドへのアピールは、実際の試合映像を見ただけでは、あまりわからなかった。
というより、フルマッチを初めて見たからそこまでを見る余裕がなかったのかもしれない。
過去の試合で、結果はわかっていても、試合の緊張感は生々しいもので、選手同士のバチバチしている感じがとてもよく伝わってきて、今の代表選手に見られるような、選手からの笑顔が見られることもなく、当時の壮絶さが伝わってくる。
井原さんはインタビューで「まだ時間はあったけど諦めてしまった」ということを語っていたけれど、意外と僕のイメージよりも、最後の失点のタイミングが早く、確かに、言われてみれば立ち上がればあと2、3分できたんじゃないか?という感覚は理解できなくもない。
ただ、アジアで最も強いといわれていた相手に2回のリードを奪い、最後にまた追いつかれて、まさに死力を尽くしているようなプレイヤーたちを見て、立ち上がれ、とはさすがに言うことはできないなと思った。
映画「ドーハ1993+」では「ドーハの悲劇」のことを、選手たちは「経験」と呼んでいた。
「その後の人生を生きることで、どんな出来事もプラスに変換できる」ということだろう、という風に捉えていた。
そして、試合を見ていて、それだけではないことに気づいた。
それは、「全力を出さなければ、それは経験にはならない」ということかもしれない。つまり、「手を抜いて臨んだ結果を得てもそんなに人生での財産にはならない」ということの裏返しかもしれない。
僕の生後2ヶ月で行われていた試合だったけれど、「全力で取り組んでというプロセスが、目先かその先かわからなくても、それが人生の財産になる」ということを学んだ気がする。
精神的な部分で、人生の法則に気づかされたような、今でもサッカー史に残る27年前の戦いだった。
「ドーハの悲劇」前半のカズのゴールを見て思う -緊急事態宣言34日目-
久々に自粛前の勤務体系のような働き方をした。
思いっきり昼間に働いて、夜は何も考えずにリラックスした時間を過ごす。
夜は風呂でJohn Coltraneを流しながら、「となりのイスラム」を読んで、風呂上りにビールと餃子、キャベツ、グレープフルーツととも1994年W杯予選のいわゆるドーハの悲劇と呼ばれるイラク戦の前半を見た。
今や解説者や監督になっている選手たちの現役時代のプレーが見られて新鮮で、何より、前半は6分にキングカズのゴールで日本は先制する。クロスバーに当たったボールの跳ね返りをヘッドで押し込む、まさに決めるべき人にボールが転がってきたというようなゴールだ。
このときのキングの年齢は26歳。今の僕と同じ。
「人生は短い」とよく言われるけど、キングのゴールを見て、このときから何十年にも渡ってなぜかキングのところにボールが転がり、ゴールを決め続けてきた。
カズはこの後、イタリア、クロアチア、オーストラリアなどでプレー。
シドニーFC時代にはクラブW杯に出場、2011年には東日本大震災後のチャリティマッチで日本のサッカー人に希望をもたらすゴールを決めている。
そして記憶に新しい2019年にはJ2最終節、チームを14年ぶりのJ1に昇格させる試合でピッチに立っている。
それを思うと、26歳で日本を背負い活躍しているキングを見て、26歳なんて人生のピークではなく、意外と「人生これからだな。しかも活躍できる時期って心持ち次第では結構長いな」ということを考えた。
もっとサッカーのことを考えるかと思ったけど、そんな風にこれからのことをぼーっと考えながら試合を見ていて、前半が終わった。
後半は先日見た映画、「ドーハ1993+」の話も踏まえて見ると色々な発見がありそうだ。
いい気分で見られるように1日を全うしよう。
「カメラを止めるな!」で自分を赦す -緊急事態宣言33日目-
緊急事態宣言解除の前日にもう一度「カメラを止めるな!」を見ようと思っていたけど、明日でビジネス再開の一つの区切りを迎える関係で、改めてこの映画を見た。
監督役が理想と現実に葛藤する姿や仕事に没頭しすぎって我を忘れてしまう、自制心を失ってしまう、というようなシーンも見ていて、ああ、やってんなぁとにやにや見られた。
ギリギリの状況だと自制心を失ったり、冷静な状況の自分から見ると理解できないことや後悔することがあるし、久々にそういう状況で働いて、悔いが残ることもあったのだけれど、この映画を見ると、ギリギリの状況のときは、冷静な判断なんか
できないし、失敗することや、言わなきゃよかったということを言ってしまったり、心をコントロールしきれないことがあっても、それは仕方のないことで、成功するために、100%を超えた状態で生きている上で避けては通れないことだと感じられるようになった。
だから、100%以上出そうとするときのミスや心の乱れはあとあと責めるのでなく、ああ、成功のためにフルパワー以上で回転させてたんだなと受け入れてあげるしかないなと思った。
仕事のモチベーションを上げるというより、ここ数日の自責の念を少しだけ許してくれるような、2、3週間ぶりの「カメラを止めるな!」だった。
Learn, Relearn, Unlearn -緊急事態宣言31日目-
いよいよ4/7発表で4/8から適用された緊急事態宣言。
この一か月で色んなところに余波が来ているし、今気付かずとも何年か先から振り返ったら気付くような余波もあるかもしれない。
毎日毎日状況が刻々と変わってきて、1か月前は考えられない状況で今は仕事していたりする。
フィリクス・ピョートル・グヂバチ氏の「0秒リーダーシップ」を読んだ。
「Learn, Relearn, Unlearn」
今のコミュニティや業界の知識を学び(learn)、時代遅れになっていないか、トレンドに気付きながら学び直し(relearn)、もう古くなって使えなくなったら手放す(unlearn)。
振り返れば1か月はこの3つの繰り返しで、前に進むためにはunlearnというプロセスも必要なんだということにふと気付かされた。
新しい日々を変えるのは -緊急事態宣言30日目-
あとあと振り返ったら人生で最も重いんじゃないかと思うような仕事を一つこなした。
新サービスの研修をZOOM越しに。40人のアルバイトに対して90分一発勝負でシミュレーションとマインドを伝えるということで、軽い気持ちで引き受けたものの、超限られた時間の中で準備していくうちに、これ結構責任重いなぁとやっていくうちに気づき、朝から緊張で、ノルアドレナリン出まくりのドキドキの一日を過ごした。
朝方にJ-WAVEから、QUEENが「We Are The Championn」の主語をこのパンデミックに合わせて新録した「You Are The Champion」という音源が流れて、なぜか涙が出てきた。
こんな時期だから、気持ちも繊細になっているのかもしれない。
結局、そのあとは熱いメッセージを届けないとと思い、熱いメッセージの人格を自分の中に取り入れようと思い、サンボマスターのライブ映像をずっと流して人格を取り入れて、研修のエンディングで人生トップ3ぐらいの熱いスピーチができた。
「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」というサンボマスターの曲にこんな一節がある。
「新しい日々の僕たちは 高鳴る予感がしてるのさ 君と僕が夢を叫ぶ 世界はそれを待っているんだぜ」
もう元には戻らない日々のことは捨てて、開き直って、新しい日々の夢を語る、そんな大人がいてもいいだろう。